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第45話  

ほどなくして。

 森岡は、SCCへの入会手続きを済ませた。彼は、晴れてSCCの一般会員となったのだ。

 内部推薦でSCCに入会する場合、基本的に形式的な手続きだけで済んだ。貴重な推薦枠を無駄にしてまで、条件を満たしていない人物を推薦する者などいなかった。

 SCC会員専用の証であるバッジは、本部から3日後に届くとのことだった。

 森岡は、一般会員ではランクが低すぎると思ったが、案内にはSCCに貢献することでランクアップが可能としか書かれていなかった。

 具体的に、どのような貢献をすればいいのかは、明記されていなかった。

 そこで森岡は尋ねた。「田中さん、一体どんな貢献をすれば、中級会員になれるんですか?」

 「なんだ?森岡くん、入ったばかりなのに、もうランクアップのこと考えてるのか?」

 「いや、ちょっと気になっただけですよ。案内を見ても、どんな貢献をすればいいのか、具体的なことは何も書かれていませんでしたから」

 「まあ、一般会員から中級会員になるのは、そんなに難しくない。イベントがあるたびに、自分にできる範囲で協力して、数年頑張れば、自然と昇格できる」

 「他に方法はないんですか?」

 「手っ取り早く昇格したいなら、200億円寄付すればいい。そうすれば、自動的に中級会員になれる」

 200億円寄付すればランクアップできるのか?ちょうど金を使うところがなくて困ってたんだよな。神豪ポイントも、もう100ポイントしかないし。

 神豪ポイントは、本当に役に立つからな。多めに貯めておいて、いざという時に備えておかないと。

 「じゃあ、上級会員になるには?寄付金でランクアップできますか?いくら必要なんですか?」

 「森岡くん、本当に寄付する気なのか?別にそんな必要はないんだ。会員ランクが高くても、ただ権限が少し増えるだけだし。そんなものに大金を使う必要はない」

 「俺は、お金で解決できる問題は、問題じゃないと思ってるんでね」森岡は、偉そうに言った。

 周りの人間は、森岡の言葉に感心した。なんという大胆な発言だろうか!

 「森岡くん、一般会員から中級会員になるには200億円だが、中級会員から上級会員になるには、その10倍、2000億円かかるんだぞ。それでも、寄付するのか?」

 「ああ、寄付する」

 「マジで言うのか?」

 「ああ、寄付
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